【裏話】ねこまるさんの過去
※今回はコアなファン向けです。
ねこまるさん というキャラがいるのですが
このキャラの過去(キャラ設定)をここに記しておきます。
(漫画でも描きたかったのですが余裕がないので文字で失礼します。)
⬆︎ねこまるさん
【ねこまるさんの過去】
ねこまるさんは、由緒ある家柄の、美しい毛並みを持つシャム猫でした。
その名は「マルコ」。屋敷の中は快適で、美味しい食事もふかふかの寝床もあり、退屈知らずの毎日でした。しかし、マルコはいつも窓辺で、庭を通り過ぎる人間たちをじっと見ていました。彼らが楽しそうに笑い、自由に歩き回り、複雑な道具を使いこなす様子を見るたびに、マルコの胸には抑えきれない憧れが募っていきました。
「もし、私も人間だったら…」
マルコは、人間たちの会話を盗み聞きしたり、本棚に並んだ書物を意味も分からず眺めたりして、人間という存在について深く考えていました。ある日、屋敷にやってきた魔法使いの老人が、マルコのただならぬ願いに気づきました。老人は、マルコの強い願いと純粋な心に心を打たれ、一つの提案をしました。
「お前が真に人間を理解し、人間の心で生きることを望むならば、その願いを叶えてやろう。ただし、代償として、お前は猫であった頃の記憶のほとんどを失うだろう。そして、二度と猫に戻ることはできない。それでも良いか?」
マルコは迷うことなく頷きました。
人間に憧れる気持ちは、猫としての安楽な生活よりもずっと強かったのです。
老人が呪文を唱え、光がマルコを包み込みました。
新しい人生、ねこまるとして
目を開けると、マルコは人間の姿になっていました。
名前も「ねこまる」と変わっていました。
猫であった頃の記憶は曖昧で、ただ「自分は猫だった気がする」という漠然とした感覚だけが残っていました。初めての二本足での歩行、初めての手の感覚、そして初めて自分の声で言葉を話す経験に、ねこまるさんは胸を躍らせました。
しかし、人間の世界は想像以上に複雑でした。猫としての本能が時折顔を出すこともありました。例えば、高いところに登りたくなったり、小さな隙間に入り込みたくなったり、見知らぬ人には警戒心を抱いたり。最初は、人間らしい振る舞いが分からず、戸惑うことばかりでした。食事の作法、社会のルール、感情の表現方法…すべてが新しい学びでした。
ねこまるさんは、自分の過去を辿るように、動物と人間の関わり合いに興味を持ちました。そして、人間になったばかりの自分が経験した戸惑いを、他の動物たちに寄り添うことで癒したいと願うようになりました。
ある日、ねこまるさんは、傷ついた小鳥を見つけました。かつての猫であった本能なら、追いかけるか、あるいは無関心でいたかもしれません。しかし、人間になったねこまるさんの心は、小鳥を助けたいという優しい気持ちでいっぱいでした。懸命に看病し、小鳥が飛び立つ姿を見たとき、ねこまるさんの心には温かい光が灯りました。

⬆︎その小鳥は今でも時々ねこまるさんに会いに来ては耳をかじってコミュニケーションをとっています。
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございました
